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溝を埋める

ソリューション。
問題解決能力。

それについて語られるとき、クリエイティビティーがあまり表面に出ないのだが、実はとても重要な要素ではないかと信じている。
このケースではこうやるというノウハウが知識として多量な者がソリューションに長けているとしたら、物覚えの悪い私など、特定社労士としての適性に大いに欠けると言わざるを得ないだろう。

多少、適性があるかなと勘違いしているのは、言うのもおこがましいが、このクリエイティビティーというか、物事を柔軟に考えることが周りの方に比べてちょっぴり自信があり、結果として解決に至っているという経験がそうさせているように考えている。

何日か前の「両者の溝深し」の案件。

法律的には、おおよそ問題なく、また依頼者の譲歩を付け替える形で更に大きな譲歩を引き出すことなく、埋めるのは不可能とエントリー時考えていた溝を埋める算段ができた。

この案を相手が呑まなければ、訴訟になっても構わないだろう。

社労士ならではの技術的な解決案。
相手が呑んでくれれば、「社労士」が紛争処理のプロセスに関わった価値がある事件になりそう。
少なくとも弁護士さんには、本件の解決案をクリエイトすることはできないはずだ。
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個別労使紛争の芽⑤

「個別労使紛争の芽①」からお読みいただくと、事例研究に役立つと思います。

①~④はあっせんで解決を図るためにということで論点をまとめました。

この⑤では、こう対処できたという結果の報告です。

土曜日の5時27分。
診療時間を終えつつあるのか、駐車場から中を覗くと、お客さんらしき人がナースと話をしている姿が。
携帯電話を取り出し、院長へ電話
「今、駐車場に来てますが、中へ入って良いですか?」
「まだ片付けが済んでないみたいだから、院長室へ来て貰っていい」
ということで、車を降り、玄関で声を掛け院長室へ上がる。

今日、話す内容の再確認をした後、いざ戦場へ!

会議室ではなく、診療室に椅子を丸く置いて、その一つへ私が。
職員達が残りの椅子に座り、院長はその円から一歩離れて、私の向かいに席を置いた。

職員は19歳から上は私と同年代とおぼしき方までだが、みなさん女性。こんなにたくさんの(といっても全員で6名)若い(6名中4名w)女性に囲まれるのも久しぶりだなぁなんて不埒な考えも・・・。

まずは知られていないだろう「社会保険労務士」について、最近の年金問題を引き合いに出しながら、こんな資格者ですと説明。

続けて、考えてきたプラン通り、分かりやすい例えで話を進めていたところ、職員の一人から「そんな回りくどい説明を聞きにきたんじゃない。この後予定を控えている子もいるし、直接的な説明をしてほしい!」と労使紛争キタ━(゚д゚)━!!ってな、テンションで私にくってかかる。

私は冷静に「説明には法律用語とか専門用語とか難しい言葉が出てきます。それを出来るだけ使わないように、みなさんにきちんと理解して貰えるように用意してきましたが、仰るように話してもよいのですね?」
「皆さん方の意に添わない説明をしたときに、難しいから分からないとは逃げないでください。難しいのなら、事細かに説明しますから。それで良ければ、法律用語を交えて、直接的に話します。よろしいですね?」

特に異論の声が上がらなかったので、対社労士受験生相手に話をするような、あまり平易な言葉を用いずに説明を始めた。
もちろん、そうはいっても素人なので、混乱しそうなところは言葉を足して。

労基法第32条。1日8時間、1週40時間が世の中の大勢であること。
この診療所は10人未満のため、特例事業場である1週44時間まで労基法では認められていること。
1週40時間を守るため、各種の例外規定が労基法には設けられていること。
世の中の中小企業はその例外規定を利用して、週40時間制を守っていること。
この診療所は一月単位の変形労働時間制を採用していること。
その採用にあたり、法的になんら問題のないこと。

院長から相談を受けて、私がアドバイスをしたときには、週37時間制なんて甘っちょろいこというのではなく、労基法ぎりぎりの週44時間制を提案したが、院長に拒否されたこと。

この手のケースでは、残業代の未払いが大抵あるもので、それはきちんと支払った上で話をしようと確認したが、全く合法的な、労基法以上の割増賃金が支払われていることがわかって、それができなかったこと。

資料を交えて、これらを一気に話し終えたあとで、職員達からの反論が。
職員の中のチーフが持つ資料には労基署でよく見る労基法の解説パンフ。

(こいつら、もう監督署に相談に行ってるんだ)

どんな反論か、いろいろありすぎて忘れてしまったのだが、これはして欲しいけど、これはやだ、という主張ばかり。
社会はそんな甘いものじゃないよ?の方針で説明すると喝破できることばかり。

喝破され続けているから、職員側も面白くないが、甘い労働条件を少し世間並みに戻すのだから、仕方のないところ。
だんだん、愚痴っぽくなってくる。
「昇給が1000円しかないのに、これじゃ元に戻るまで何年かかるか・・・」
(昇給1000円は厳しいなぁ・・・でも、ここで甘い顔できないし、あとで院長へ言っておくか、もう少し上げてあげたらと)
「新しい制度になったら、5万円も減額したのに・・・」

5万円!

私が院長から聞いていたのは、2万円の減額だし、事実、事細かにチェックしたわけではないが、たしかにそれくらいの金額だったところで、5万円という額が・・・

これには、私も、それはきつすぎる。なんとか救済措置を考えなくてはと考え始め、この5万円はシフトの谷間で、まったく残業が出来ない月に生じるもの。
所定労働時間がある月だけ、大幅に減ってしまうため、ノーワークノーペイの原則から言えば、仕方のないところでもあるが、やはり生活の安定から考えれば看過できない。

まずは今のシフトを組み替えて、所定労働時間の谷間をなくすか減らすことを私から提案する。
「院長が考えてくれ」的な発言には、「みなさんのことだよ?そこで院長を頼ってどうするの?」とピシャリ。

このころから、シフトをどうすれば安定的な給与が貰えるようになるか、一人一人が考え始める。

「バランスが悪くなる」「どういうこと?」谷間を減らすために山を削るというのだ。削られた山の時間帯には人が不足し、回らなくなるという旨。
「働いてはいけないとは診療所は言ってないよ?今のシフトに、今休んでいるところ(人)を出てきて貰って、給与の安定を図ろうということだから」
「でも、そうすると、仕事がなくなるじゃないですか?」
「仕事は与えられるものじゃないでしょ?自分で作り出すものでしょ?特にあなたはチーフなんだから、新人職員ならまだしも、あなたがそういう意識では問題あるんじゃない?」
「それは分かっているけど・・・」
「どうしたら、一人一人が自分で仕事を作り出すようになれるのかを考えることも、あなたの仕事じゃないの?」
「あぁそうか・・・」

このころから、こちらのいいように場全体が回り始めた。
最初の対決姿勢は霧消し、ある人はシフトのことを考え、ある人は仕事を作り出すことについて考えという姿が見て取れるようになってきた。
やっぱり、日本人って仕事に真面目な国民性なんだなとか思いつつ、性別を超えて真摯に仕事に向かう若い人の姿勢ってかわいいなとも。
ここだと思い、私が向かいの院長の目を見て発言する。

「みなさんには厳しいことを言ってきているが、正直、5万円の減額がきついことは私も承知している。これはいけない、なんとかしなくちゃ。そこで、院長。私からの提案なのですが、今、みなさんがシフトの組み替えをいろいろ考えているようです。もしかしたら、とってもよいシフトができるかもしれない。だけど、考えて考えて考え尽くしても、やっぱりできないかもしれない。その場合には、いくらかの救済措置をとって貰えるよう提案いたしますが、いかがですか?」

沈黙を守ってきた院長が口を開く
「いいですよ」
了解を得た私は続けて職員の気を引き締めるため
「シフトにより給与が不安定になることは、みなさんの生活の安定のためにも良くないことです。生活の安定が図れないことはやる気をそぐことにもなって診療所にとってもマイナスです。そこで、救済措置を院長に提案しましたら、お聞きのように了承して貰えました。
ですが、ここからはみなさんへ注文です。
先ほど提案する際、私がいいましように、みなさんがよいシフトを考えて考えて、考え尽くしてもなお、よいシフトが出来なかったときの救済措置です。お話を聞いていると、よいシフトの案らしきものも聞こえてきてます。どうか、みなさんお一人お一人が考えて、よいシフトを作ってください。」


ここでは書けなかったが、今回の紛争の最大の原因は経営者と職員のコミュニケーションの不足だと確信できる瞬間があった。

院長とは、幼稚園から中学まで同じ学校へ通い、高校大学、社会人の10年くらいは交流がなかったが、2年ほど前から交流が再開し、今では2月に一度は飲みに行くつきあいをしている。
子供の頃から頭の良かった院長。
地元随一のK高出。
頭のいい人は「一を言えば十わかる」が、世の中の大半はそうじゃないってところだろう。頭の良い人は良い人で、こういうところで苦労するという典型のような事例。だから、社会って面白いし、(人を相手にする)労務って面白い。


最初に、この依頼を受けた際、院長には言っておいた
「私が説明するけど、『うまくまとめること』はできないよ。部外者だもん、私は。ただ、部外者が話することで整理できる部分があって、それでうまくまとまる方向へ誘導できるかもしれない。だけど、やっぱりまとめることは経営者の仕事だと思うし、院長にはそれを体験する良い機会だと思うから、まとまることまで期待しないでください。」
院長が面倒はsharocへ振ればよいと味を占めることは今後の経営にとって、絶対にプラスではないと確信するからこそ、釘を刺したが、思いの外、聞き分けのよい子(職員)ばかりだったせいか、予想以上にうまくまとまってしまって、ちょっと上手くやりすぎたかなぁと反省する点も。

紛争はほぼ解決できた、あるいは(良い方の)次のステージへ動かせたという実感はある。
では、満足しているかというと、「あっせん代理人・特定社会保険労務士」のsharocとしてはできすぎでしょうの満足感。紛争の芽を摘むばかりか、紛争のエネルギーを業務改善へまわせたのだから。
一方、この診療所の顧問の社会保険労務士としてのsharocは経営者育成の大事な機会をつぶしてしまった悔いが残る。悔いの方が少し大きい。

そうはいっても、院長からの電話は続く。
職員達の甘えも続く。
「そんなこと相手にしなさんな」二言目には言いたくなるこのフレーズをぐっと飲み込む私。解決したと思ったのに、まだまだ小さなものが続きそうな予感に、院長の経営者としての成長を願うばかりである。

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個別労使紛争の芽④

「個別労使紛争の芽①」からお読みいただくと、事例研究に役立つと思います。

どのように解決を図るか
【あっせん案/和解案の承諾】
1. 従前の算定方法には戻さない
2. 7月分給与についても、差額の支払いは行わない
3. 遅延損害金の支払いは行わない
4. 経過措置として、3ヶ月間月額5000円の特別手当を支給する
5. 会社のサービス向上に資するための資料作りもしくはXの技能向上のために労働する時間としての時間外労働をその他の時間外労働と合わせて月42時間を上限として認める

相手(労働者側、経営者が双方の)次第ですが、
6. 解決金として金2万円を支払う


こんなところかな?
解決金は「2万円の減額」から。
これくらいが仮にあっせんに乗ったとしても、譲れる(そのように依頼者=経営者を説得できる)案かなと思います。
歩み寄りが前提のあっせんですから、何も歩み寄らないというのでは話になりません。
訴訟に発展するケースとのコスト計算を考えればもっと譲歩も出来ますが、これ以上の譲歩は当事者のテンション次第。

この事例でこれ以上のあっせん案の提示をあっせん委員が行うようには思えないけど。

もちろん、あっせんに乗らないという選択肢も経営側にはあります。
強気の経営者ならば、乗らないでしょう。
「不満であれば、やめてもらって構わない」であれば、解雇になるかは微妙。雇用保険では会社都合の認定を受けてしまう恐れもある。「不満であれば、やめてもらうしかない」であれば、解雇濃厚。

この事例、③までのあっせんでのやりとりが、あっせんの場ではなく労使間で行われた結果、「不満であれば、やめてもらって構わない」の会社側の発言に業を煮やした労働者側が「自己都合」の退職届を出した後、不当解雇或いは職場環境整備義務違反による退職で訴えるという図で検討しても勉強になるかもしれない。

個別労使紛争の芽③

「個別労使紛争の芽①」からお読みいただくと、事例研究に役立つと思います。

【あっせんを受ける場合(経営者側)】
労働者Xから申立を受けたあっせんに参加して紛争解決を図る場合の反論と論拠

反論
1. 従前へ戻すことはできない
2. 7月分給与についても、差額を支払うことは出来ない。
3. 2.の遅延損害金にも支払うことはできない。
4. 賃金減額の緩和措置として、会社のサービス向上に資するための資料作りもしくはXの技能向上のために労働する時間としての時間外労働をその他の時間外労働と合わせて月42時間を上限として認める。

論拠
就業規則及び労使協定については、労働者の代表者の意見を聞き、また協定を結んでいる。
この労働者の代表は、顧問の社会保険労務士の指導もあり、会社が一切関与することなく選任されたもので、その代表者から本件に関し異議が出されていない。
また、他の従業員も不満はあるかもしれないが、納得して貰っており、このように主張されるのはX一人である。
さらに、不利益変更とはいっても、労基法を上回る基準での変更であること、固定的賃金の減額はしていないこと等を理由として、財務的な数字の開示まで必要とは思えない。

また、Xとは、その職員募集の広告から面接まで給与○○万円の提示を行い、了解して入社して貰ったが、減額となった7月分でもそれは確保されており、週37時間制についても同様に説明をしてきたものであり、約束を違えたことは一切無い。

この間、Xも承知の通り、人員増を図り、一人一人の仕事量は減っている。これまで、かなり濃密な仕事量であったので、感謝の意味も込めて一日8時間を超える部分について、特別に、割増賃金を支払ってきたものであるが、適正な仕事量で一日を過ごして貰う体制ができたため、感謝の意味を込めた部分を外しただけである。

結果からいえば不利益変更となるかも知れないが、これまで過剰であったものを適切な手続きを経て正常に戻しただけのことであり、他の職員の理解を得ていることもあり、要求には一切受け入れられない。

とはいっても、代償措置に未熟な部分があることを認め、時間外労働の増加承認により、代償措置として対処していきたい。


【現実の対処(案)】
不満は聞くなど対処はするが、修正は一切しない。
まず、本件では労基署が動けない事例であること、それ以外の場所においても、労働者の主張の筋の悪さ及び紛争額が低額なこともあり、まともに取り合って貰えないだろうと推測されることを理由として、修正は受け付けない。

また、他の職場と比較した場合有利なこの職場であり、かつ職員の多数の意見ならともかく、少数の意見であり、不満であればやめて他を探して貰って構わないとの姿勢を見せる。(解雇はしない)

対決姿勢をとる理由は、『日本一になるため』に必要な人材か否か。
経営者の意見を聞いたところ、どうしても必要というわけではないとの評価。
経営者だけでなく、スタッフ一人一人の高い意識、モラルが必要な中で代替が効く人物であれば、条件が不満であるならばリタイアしてもらっても構わないだろうとの判断から。

本人の主張するところ、特に情報開示について理解できないわけではない。逆の立場であれば、そこを鋭く突くが、それは環境がある程度以上の規模の会社のこと。
レクサスの装備を軽自動車に求められても対応できないというしかない。イヤなら軽自動車をやめて、普通自動車で探せば?となる。


と、対決姿勢バリバリの経営側の対応。
これでこそ、労使紛争。
④では、どのように解決を図るかという点について投稿します。

個別労使紛争の芽②

「個別労使紛争の芽①」からお読みいただくと、事例研究に役立つと思います。

【あっせんにかける場合(労働者側)】
 特定社労士sharocがこの事例の労働者Xから依頼を受け、県労働局紛争調整委員会へのあっせんの申立を行う場合の主張と論拠。

主張
1. これまで通り、一日8時間を超える労働時間に対し、割増賃金を支払って欲しい。
2. 7月の給与も1.にならって計算した差額分2万円余を支払って欲しい。

特定社労士試験での解答向きな主張として
3. 7月分給与支払日の翌日から支払日限り2.の金員に対し年利14.6%の割合で計算した遅延損害金を支払え。

論拠
6月まで、一日8時間を超える労働時間に対して割増賃金の支払がなされてきた。
就業規則の導入を理由に、算定方法を変え、週37時間を超える労働時間に対し割増賃金を支払うこととし、結果2万円余の減額となっている事実は労働条件の不利益変更である。
労働条件の不利益変更であれば、判例の積み上げで、7つの要件が満たされなければ合理的でないとされているが、労働者の賃金の10%となる賃金減額になる変更にもかかわらず、「経営が苦しい」のみの説明で具体的な説明が無く、また職員を増やしている中で「経営が苦しい」との説明に納得出来るものではない。
10%という影響の大きさは変更により、労働者が被る不利益の程度は尋常なものではなく、また導入に際し、具体的な説明がなされていないこと等の手続にも問題がある今回の変更は不当なものであり、従来通りの方法により算定した賃金を今後も求めるものである。

人員増による、労働密度の改善は認めるものの、それが10%もの減額となる不利益変更の代償措置としては、明らかに不足するものであり、もってこの点も合理性を判断する上で、加点要素となるとはいえない。


※ ま、あっせんにかけるとして主張するならば、こんなところでしょうか?

【(想定する)現実的な対応】
当該労働者Xから相談を受けた場合の対応です(もちろん、経営側のことは知らないという仮定で)。

「あっせんにかける場合」の説明をし、解決を図るには、労働局紛争調整委員会や少額訴訟という方法があることを説明。
但し、費用は、それらADR機関等にかけて全面的に勝った場合でも、持ち出しとなることを説明し、やるのであればX自身でやることが経済性に適うことを説明。
また、この事例では労基法違反がないため、労基署に相談されても、具体的に動いて貰えない。
「一般的な意見として、普通の会社であれば週40時間を超える労働時間にしか割増賃金を支払われていない。それを37時間を超える労働時間で、との会社側の対応は悪くないのではないか?
確かに、先月と同じだけ働いたにもかかわらず、2万円もお給料が下がることに納得いかない気持ちは理解出来るが、お話を聞く限り、会社側は割と丁寧に進めているところもあり、不満を抑えて、この会社で成果を発揮した方が、他の会社へ行くよりもたくさんの給料が貰えて、あなたの利益になると想像するけど?」的な話しをして、これ以上紛争を発展させない方向へ誘導します。



※ 「あっせんにかける場合」は特定社労士試験の事例問題の小問2~3あたりに出題されそうな問いに対する解答として、「現実的な対応」は同試験事例問題の小問4~5あたりに出題されそうな問いに対する解答の参考として、記載してみました。
※ 特定社労士試験の解答は「これが正しい。これ以外はダメ」という性格のものではありません。これも正しいし、それも正しいね或いはこれもアリだけどそれもアリだよねで加点されると思われますので、この私の意見を忖度しつつ、(採点者である弁護士が喜びそうな)あなたの意見を醸成していただく参考として下さい。
※ 「現実的な対応」には、試験向きな部分と合格後の特定社労としても実務的な部分が混在します。実務的な部分は試験解答にはマイナスに働く恐れがあることを承知して、参考にしていただきたいと思います。

個別労使紛争の芽①

朝一番、携帯電話が鳴った。
ディスプレイを見ると、同じ小中学校に通い、最近では政治向きな討論を肴に酒を飲む会のメンバーでもあるM医師。
『5年後には世界一の診療所になる』と高い志を持つ彼。
私はそのために労務管理の面からサポートできることをと、お手伝いさせて貰っている。

高い志も、カネがあってのこと。
安定的に診療所経営を図れ、志を実現するためにも、現状のトントンでは心許ない。

法の内側での、無駄な出費は抑えましょうと作成を進めてきた就業規則にもそれらを盛り込んだ。就業規則は完成し、運用を始めたところで従業員から苦情が出ているがどうしたらよいか?との相談の電話。

この診療所、労基法では週44時間が法定上限労働時間の事業場。
もう少し人数が増えれば週40時間となる。
現実の運営は週37時間としている。

就業規則上は週40時間とし、賃金支払いは週37時間を超えたところで割増賃金を支払うという、かなり有利な運営。

ところがこれまでは、週37時間制を口では言うものの、1日8時間を超えた時間に割増賃金を支払ってきていた。

1年単位の変形労働時間制を導入し、労使協定・届出を行い、週37時間を超える部分に割増賃金を支払うようにしたところ、ひと月の給与が2万円ほど減額することとなった。

この2万円の減額が苦情のタネ。

労働条件の改悪だ!というのである。
経営状態が苦しいというのであれば、税理士に説明させろ。
また、この労働条件変更を指導した社会保険労務士に説明させろ、と。

労基法に抵触する部分がない、完璧な個別労使紛争。

これまでと同じ労働時間にもかかわらず、2万円減額することとなったことは労働条件の不利益変更だ!と主張する労働者。

採用時点から37時間制については説明して入社して貰ったが、少ない人数で、職員一人一人が非常に多忙であったこともあり、とりあえず8時間を超える部分で割増賃金を支払ってきたものを当初約束した姿へ戻しただけだと主張する経営者。
また、この間、人数を増やしたのだから、同じ労働時間でも密度は薄くなっているはずだとの主張も。


特定社会保険労務士試験に出しても良さそうな難しい案件。
私の対応は別スレで・・・。


【追加情報】
平日1日の労働時間10時間、週休三日制、土日は交代で半日出勤とかなり変則の勤務状況の事業場です。

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